前向き研究とは

前向き研究とは、多数の健康人の集団を対象に疾病の原因となる可能性のある要因を調査し、その後その集団を追跡調査して疾病にかかる者を確認し、最初に調査した要因との因果関係を分析する研究手法である。

前向き研究の反対語として後向き研究がある。

この研究会の最終目標は「スポーツ障害の発生率を減らすための予防」「パフォーマンスアップ」の2つの項目を満たすことです。ただ単に障害を予防するだけでは選手は満足しません。予防に加えてパフォーマンスをアップする投球フォームなどのスポーツ動作、身体特性を開発すること。これによって選手、研究者、そして科学的にも満足が生まれると考えています。

この研究会では、Evidence、Experience、Fieldの3つのものに基づいて研究を行っています。解析技術においてはもちろんEvidenceに基づいていますが、開発コンセプトにおいては自分達の野球選手としての経験と医師・理学療法士として野球選手を見てきた経験に基づいており、開発目的/意義においては現場の選手のニーズに基づいています。

予防に最も大切なことはなにか?私は正確な予測が最も大切だと思います。どんなによい予防方法が開発されたとしても、選手の予防意識が向上していないとそれは無意味なものになってしまいます。選手の予防意識を向上させるためには正確な予測が必要になってきます。しかし、正確に予測することは最も大切だと思いますが、最も難しいとも思います。

スポーツ障害における予測とはなにか?それは選手の動作やメディカル(フィジカル)チェックから得られた理学所見といった目に見えるものから、肩や膝、腰などの内部や近未来の発症といった目に見えないものを予測することだと思います。本研究では動作や理学所見といった目に見えるものから、体(関節)の内部や近未来の発症という目に見えないものを予測することを目的としました。

スポーツ障害の予防を考える上で重要なことは発症前の体の状態を知ることだと思います。通常の医療機関では選手は発症した後に受診するため、どうしても発症に対して後ろ向き研究になってしまうことが多いです。本研究会は、現場の協力の下、医療機関としての枠を超えて、前向き研究を行っていきたいと思ってます。前向き研究は、後ろ向き研究と比べ、高いエビデンスレベルを獲得できます。

無症候期にとったデーターを参考に、どのような選手がケガを発症しやすいかを統計学の力をかりて求めて、皆で共有していきたいと思っております。

前向き研究に関して皆で知見を深め、現場の意見を聞きながら、少しずつ作り上げていきたいと思っております。興味のある方は、是非セミナーにご参加下さい!